前回に引き続き、韓国現地からリアルタイムお届けする韓国広告レポ第3回目です。
目次
韓国広告事例その3:大手食品メーカーInstagram広告「食べ物で盛大に遊んでしまう企画」
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●広告キャプション内容●
#이벤트 ⠀
맥스봉 너 어디까지 할 수 있니🤭
(和訳:イベント。「マックス棒」でどこまで出来る?)
다재다능한 맥스봉, 미션봉파서블😎
맥스봉의 한계를 실험하다 !
(和訳:多才なマックス棒、ミッション棒ポッシブル。マックス棒の限界を実験!)
영상 속 실험처럼 맥스봉으로
아래의 1~5번 중 하나를 사진으로 인증해주세요 !
추첨을 통해 에너지 박스를 드립니다.
(맥스봉하우스 팔로우는 필수인거 아시죠?😉)
(和訳:映像の中の実験にように、マックス棒で下記1~5のうち1つを写真に撮ってシェアしてください!参加者の中から抽選でエナジーボックスをプレゼント!※マックス棒のアカウントフォローはもちろん必須なのはご存知で?^3^)
1. 휴대폰 잠금해제하기
2. 휴대폰 게임하기
3. 도어락 번호 누르기
4. 무인자판기 주문하기
5. 현금 인출하기
————————–
(和訳:
1:スマホロック解除
2:スマホゲームをする
3:ドアのロック解除をする
4:自販機で注文する
5:現金を下ろす)
🌱선물 : 맥스봉 에너지박스(10명)
🌱이벤트기간 : 2019.06.19 ~ 2019.06.26
🌱당첨자발표 : 2019.07.03
🙋신청방법:
1. 해당 동영상 게시물을 좋아요 누르기 !
2.개인 계정에 #미션봉파서블 해시태그와 함께 사진 인증하기!
(和訳:
・プレゼント:マックス棒エナジーボックス10名
・イベント期間:2019.06.19 ~ 2019.06.26
・当選者発表:2019.07.03
*申し込み方法:
1:この動画にいいね!をする
2:個人アカウントに#ミッション棒ポッシブル のハッシュタグと一緒に実行した写真を投稿!)
本日は、韓国大手食品メーカーの「日本じゃプチ炎上案件寸前?!」な斬新すぎるInstagram広告の企画内容をご紹介。
日本ではあり得なさそうな、斬新すぎるキャンペーン広告の企画内容
まず、本インスタグラム広告の企画構成から解説しますと、
ユーザー参加型キャンペーン企画であり、内容としては、
「マックス棒というおやつソーセージを利用してどこまでのことができるか?」というもので、指定のミッションを実際に行い、インスタに実行証明写真をアップすると、抽選でプレゼントがもらえる。
というものです。
その指定ミッションは5つあり、下記の通りとなっています。
- スマホロック解除
- スマホゲームをする
- ドアのロック解除をする
- 自販機で注文する
- 現金を下ろす
いやいやいや・・・w(ツッコミどころがありすぎてどこから言ったらいいか・・w)
こんな感じに食べ物で盛大に遊んでしまうというのが、日本の場合じゃなかなか考えにくい企画内容ですね。
それもかなりの大手どころが堂々とやり、広告までかけてしまうという事案・・・(韓国のやり方を否定しているわけではなく、カルチャーショックへの嘆きですw)
実際に広告となっているクリエイティブも、「指定のミッションを実際に挑戦している動画」になっていて、
これが日本の食品メーカーがやってたら・・・?と思うとなんとなくヒヤヒヤしてしまう動画ですww(私だけか?)
日本なら確実に「食品メーカーが堂々と食べ物で遊ぶなんて。不衛生な上に行儀が悪い!」的なアンチコメがたくさん出てきそうですが、
実際にコメント欄の反応をチェックしてみても・・特にそういった反応はなし。
むしろユーザーはノリノリw
これは、国民性の優劣の問題とか一切抜きで、単純な「カルチャーの違い」そのものだなあという印象。
(多分、韓国人的にはビニールに包まれてるから別に大丈夫じゃね?くらいな感覚だと思いますw多分ですよ、多分。)
当たり前ですがこんなに近い国でも、物事に対するそもそもの認識や考え方にここまで違いがあるので、広告やマーケティングシーンにおける伝え方や訴求の仕方も大きく変わってきます。
また、こういったことは広告シーン以外でも大いに当てはまります。
過去に韓国で広告プランナーをしていた際は、韓国のモバイルアプリゲーム会社への営業が多かったのですが、
「韓国で爆発的人気が出たゲームだからと言ってそのまま日本語にして日本でリリースしたら大ゴケした。しかも超人気大手のゲーム」なんてことが至る所で起こっていて、韓国企業の人たちも頭を抱えていることが多かったです。
逆に、日本で受けたものが必ずしも韓国でもブームが巻き起こるかというとそんなことはなく、いくら近い国とはいえむしろそのまま横流ししていたら大ゴケする可能性が高いです。
今回紹介しているような「食べ物で遊ぶ企画w」なんて日本でやったら大炎上とまでは行かないとは思いますが、「食品メーカーが食べ物で遊ぶなんて行儀の悪いこと勧めていいの?」とプチ炎上騒ぎになり、企業イメージの低下をもたらしますし、それ以前にこんな企画自体通らないと思いますw
(食品アートとかキャラ弁作り、デコ盛り?系の企画はありえますが、食べ物でスマホゲームしたりなどは流石に見たことはありませんww)
広告やマーケティングシーンをはじめとし、こういったその国の文化や嗜好に合わせたローカライズとカルチャライズは、グローバルビジネスを行っていく上で常につきまとう重要かつ難関な、永遠の課題なような気がします。
それらは、「売り上げなど数値的効果を最大化するため。」という目線ではもちろんのこと、「それぞれの国におけるセーフゾーン、タブーゾーンを知っておく」というある種の炎上防止対策という目線でも考えられるかと思います。
韓国独特?なキャプション内容や広告コピーの表現法
また、おまけとして「韓国独特?特有?な広告コピー」にも注目してみたいと思います。
インスタ広告のキャプション内の
미션봉파서블:ミッション棒ポッシブル
だいたい予想がつくとは思いますが、ミッションインポッシブルのもじりでして、
和訳だと「?」という感じで若干変な感じがしますが、この「棒」が韓国語の発音的に「봉(ボン)」でして元ネタの「イン」と「韻が同じ」なので、韓国語にするとまあ響きはナチュラルになるのかな?と思います。(企画担当者もそこを狙ったと予測)
こういったもじり系のコピーは日本の広告シーンなどでもよく用いられますが、やはり韓国語には韓国語に合った「もじり方」はあるので、
広告の韓国向けのカルチャライズをする際などには、この辺も理解した上で作ることができればより効果的で現地により馴染むのではないのかな?とは思います。
筆者としてもこれからも、韓国語自体の知識はもちろん、こういった「クリエイティブシーンにおける韓国語運用」について現地からより深く探求し、ただ外から分析するだけでなく、自分でも1から作ってみることができるレベルまで持っていけたらなと思っています。
その方が、また一味違った韓国語の世界を感じれて面白いので^^
今回はこれで以上になりますが、現在私は韓国に住みながら、「韓国アートカルチャーマガジン」を運営しています^^
韓国の広告事例コレクションNo.4はこちら:【韓国ネット広告事例】facebookのPage Like Adのキャプションにまさかの日本語が?!